てんかん(epilepsy)は、脳の神経細胞の異常な活動によって引き起こされる慢性的な神経系の疾患です。この状態では、一時的に脳の神経細胞が過剰に活発になり、神経細胞の不規則な電気信号が脳内で広がります。その結果、発作と呼ばれる突然の神経活動の変化が生じます。

カンナビジオール(CBD)は、一部のてんかん症候群の治療に有効であることが示されています。特に、ドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群といった難治性のてんかん症候群において、CBDが発作の頻度を減らす効果があることが研究によって示されています。

例えば、2018年に行われた臨床試験では、ドラベ症候群の患者に対してCBDを投与した結果、プラセボ群に比べて発作の減少が見られました。この研究により、アメリカ食品医薬品局(FDA)はCBDの一つの製剤であるエピディオレックス(Epidiolex)を、ドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群の治療に承認しました。

ただし、CBDが全てのてんかん症候群に効果的であるわけではありません。てんかんは、さまざまなタイプや症状を持つことがあります。一部のてんかんは特定の脳領域に限定され、他の場合は脳全体にわたって広がることもあります。発作の特徴や頻度、重症度は患者によって異なります。

一部のてんかん症例では効果が見られないこともあります。また、CBDの使用に伴う副作用や相互作用も存在するため、医療専門家の指導の下で適切に使用する必要があります。

ドラベ症候群患者家族会、公益社団法人日本てんかん協会、一般社団法人日本小児神経学会、一般社団法人日本てんかん学会の4団体が2019年9月に厚生労働大臣に宛ててカンナビジオール医薬品承認に関する要望書を提出しました。

要望書では「1. 大麻成分を含む医薬品の治験ができるよう大麻取締法の見直し」「2. 難治性てんかんの治療のためにCBDの早期承認」と2つの要求が盛り込まれました。

てんかんは慢性的な状態であり、一生涯にわたって治療や管理が必要な場合もあります。定期的な医療のサポートを受けながら、患者と医療チームは最適な治療計画を立て、発作の管理と生活の支援を行っていきます。